kinoppi226のブログ

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映画「ある男」レビュー(途中からネタバレあり)

 11月18日に公開されたばかりの映画「ある男」を観てきました。

 主演妻夫木聡で、原作は平野啓一郎のベストセラー小説(原作未読です)。

 妻夫木聡のほかにも、安藤サクラ窪田正孝柄本明真木よう子等実力派の俳優が勢揃いしています。

 普段それほど映画館に映画を観に行く方でもないのですが、ラグジュアリーカードの「全国映画館優待」にエントリーしており、1,200円以上のチケットをラグジュアリーカードで購入すると翌月末までに「映画GIFT(無料で映画が見られる電子チケット)」が送付されるため、試しに購入してみました。

 1枚チケットを購入すると翌月1枚もらえるという優待ですが、もともと買う予定のなかったチケットを購入しているわけですから、実質的には負担増ですね(笑)

 

〇 「ある男」あらすじ(公式サイトから)

 弁護士の城戸(妻夫木聡)は、依頼者の里枝(安藤サクラ)から、亡くなった夫大祐(窪田正孝)の身元調査という奇妙な相談を受ける。里枝は離婚を経て、子供を連れて故郷に戻り、やがて出会う「大祐」と再婚。新たに生まれた子供と4人で幸せな家庭を築いていたが、ある日彼が不慮の事故で命を落としてしまう。悲しみに暮れる中、長年疎遠になっていた大祐の兄・恭一が法要に訪れ、遺影を見ると「これ、大祐じゃないです」と衝撃の事実を告げる。

 愛したはずの夫は、名前もわからないまったくの別人だったのだ・・・。

 「大祐」として生きた「ある男」は、いったい誰だったのか。

 「ある男」の正体を追い”真実”に近づくにつれて、いつしか城戸の心に別人として生きた男への複雑な思いが生まれていく。

 なぜその男は、別人として生きたのか。

 弁護士・城戸がその真実に辿り着いたとき、必ず涙するー。

 

<感想>

 実力派の俳優が顔を揃えているだけあって、見応えのあるシーンが満載でした。

 城戸が暗い刑務所の中を歩いていき、戸籍交換にかかわり詐欺で服役している囚人(柄本明)と面会するシーンは圧巻です。2回目の面会の言葉の掛け合いも迫力があって面白かった。

 刑務所で誰かと面会したことがないので分かりませんが、面会するまでにあんなに暗い道を行くんでしょうか(いや多分演出)。

 全体的に暗いシーンが多い本作ですが、個人的には笑えるシーンもありました。

 

・里枝と大祐が付き合いだすきっかけとなるシーン

 里枝が働いている文具店を何度か訪れた大祐が、会計する際に突然、

      「友達になってもらえませんか?」

と里枝に言い出したのでおかしくて噴き出してしまいました。

 本当に友達になりたかったのか下心なのか分からないけど、お客に突然そんなこと言われたら普通引きますよね。いやイケメンだから許されるのか

 

・里枝と恭一の「大祐じゃないです」「いや、大祐さんですよ」の掛け合い

 線香をあげにきた大祐の兄・恭一が遺影を見て「これ、大祐じゃないです」と言った際に里枝と恭一が何度か「大祐じゃない」「大祐さんです」と言い合うのですが、返しのタイミングが絶妙でコントみたいで本当におかしかった。

 シリアスな中でも笑えるところもあって、メリハリが効いていました。

 

 最後まで見て、全体として納得できない部分や不明なままの点、登場人物の心理に共感できない部分は結構ありましたが、原作ありの映画という性質上、仕方がないのでしょうね。

 上映時間の制約がある中で、端折っている部分がだいぶあるんでしょう。

 

   ======<注意>ここからネタバレあり=======

 

 

<納得できない部分や不明なままの点>

◎殺人犯の息子という過去を消したくて戸籍交換するというのは分かるんですが、最初に大祐と戸籍を交換した曽根崎という男はどうして戸籍を交換したかったのか?

 殺人犯の息子というレッテルがついてまわる戸籍と交換するんだからよっぽどの理由があると思われるが、そこについては全く説明がない

伊香保温泉で生まれ、曽根崎として生きていた本当の大祐が、なぜ戸籍交換までして逃げ回らなければならなかったのかがさっぱりわからない

◎戸籍交換までして逃げているのに、本当の大祐が自分を騙るフェイスブックに身バレのリスクを考慮せずわざわざ反応してくるか?という疑問

◎そもそも弁護士があんな身元調査なんて引き受けるもの?探偵ならわかるけど

 

<問題のラストシーン>

 城戸は調査を終え、妻、息子とレストランで食事をしているシーンで妻が浮気をしていることに気が付いてしまいます。気が付いたものの、その場で特に指摘はしません。

 

 その後、場面は変わり、バーのようなところで城戸が見知らぬ紳士と語るシーン。

 城戸は、「子供が二人おり、伊香保温泉の出身で」と、大祐を想起させる自己紹介をしています。

 このシーンが、

◎ただ単に(戯れで)大祐を騙っているだけなのか

◎それとも今度は城戸が大祐の戸籍を手に入れ、大祐として生きていくのか

曖昧なまま、映画は終わりを迎えます。

 

 城戸は、在日3世というコンプレックスを抱えており、妻の両親とのやりとりや、囚人とのやりとり、ヘイトスピーチに関するテレビ番組等でその葛藤が示唆されています。

 だからこそ、妻の浮気に気が付いた城戸が、在日3世という自らの出自を捨て、今度は大祐として生きる気なのではないか、と連想できないこともないわけです。

 ここは、制作側としてはわざと曖昧にぼかして映画を見た人の想像に任せる、さらに言えば話題作りを狙っているのではないでしょうか。

 

 たまには映画館で見る映画も悪くないので、来月ラグジュアリーカードから映画GIFTが届いたら、また映画館に足を運ぼうと思っています。

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